伯方雪日の罵詈淘奴日記

罵詈淘奴=バーリ・トゥード=ポルトガル語で「なんでもあり」です
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<書評> 摩天楼の怪人
著者:島田荘司
出版社:東京創元社


満を持して老舗の創元からついに御手洗モノが。しかも大長編。
舞台は1969年。コロンビア大学助教授だった御手洗は、死に瀕した大女優からの挑戦状を受けるはめになる。
その女優、ジョディ・サリナスは、1921年、自身が今も住む高層アパートで、停電中のわずか15分で34階の自室から1階に住む男を銃で殺したというのだ。エレベーターも停止していたので降りて戻ってくるのはまず不可能。
果たしてどうやったのか。しかも彼女自身がどうやったのかわからないというのだ。その謎を御手洗に託し、彼女は死んだ。
そしてこのアパート、セントラルパーク・タワーには他にも数々の謎めいた殺人事件が行われた現場だったのだ。

いやはや、相変わらず風呂敷広げてくれますぜ。どう考えてもそら無理だろ!的な謎を投げつけて、腕力で収束させてしまう強引手法は嬉しくなるほど健在。
もはやツッコミは野暮なだけと感じさせてくれるのがさすがの貫禄です。
はい、面白かったです。拍手。
| 伯方雪日(はかたゆきひ) | 書評 | 00:20 | comments(7) | trackbacks(2) |