2005.08.24 Wednesday
<書評> 日本怪奇小説傑作集1
編者:紀田順一郎/東雅夫
出版社:東京創元社(創元推理文庫) 全三巻のうちの一巻目です。 明治以降のホラーものの傑作を時代順に並べてあるので、この巻は小泉八雲、泉鏡花から始まり、夢野久作、佐藤春夫などまで。 僕は元来イマジネーションが足りないのか、小説で恐怖感を感じたことがあまりないのです。怖さのツボがどこかわからない、という感じで。 昔のキングなんかのわかりやすい怖さなんかはバリバリだったのですが、こういう日本的怪談風のもの、ふと思い返してぞっとするような感覚に対して鈍いのです。それが悔しい。 このアンソロジーも、なんとなく距離を置いたまま読み終えてしまいました。それでも巻頭の小泉八雲「茶碗の中」は、話のぶつ切れっぷりがすごくて、後味の悪さにちょっとぞっとしました。 ベストは村山槐多「悪魔の舌」ですね。こういうグロい話のほうが好きです(笑)。やはりホラー映画よりスプラッタが好きなのです。 |