伯方雪日の罵詈淘奴日記

罵詈淘奴=バーリ・トゥード=ポルトガル語で「なんでもあり」です
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<映画評> 人形霊
監督:チャン・ヨンジ
出演:キム・ユミ/イム・ウンギョン/オク・ジヨン


タダ券です。つまらんかったー!
いやはや、もうなんと言うのか、「韓国やったらなんでもええんか!?」と訊きたい気分です(誰に?)。
「人形」という手垢はついているが、確実にある程度怖い映像が撮れるネタを用いながら、ひとっかけらも怖くない。それはもう、笑えてしまうほど怖くない。誰がなんと言おうと怖くない。
ストーリーもなんだか妙で、二つあるラインの関係が不明だし、とにかく圧倒的につまらない。
こういうのまで輸入されるというのは、まだまだ韓流ブームいけるぜ!ということなのか、もうブームも末期ということなのか、どっちなんでしょうね。どうでもいいや。
今年のワースト候補です。
| 伯方雪日(はかたゆきひ) | 映画評 | 11:15 | comments(42) | trackbacks(8) |
<映画評> 亡国のイージス
監督:阪本順治
出演:真田広之/中井貴一/寺尾聰/佐藤浩市


試写会です。おもしろかったー!!!
「ローレライ」は正直うーん、という感じでしたが、あちらではバッサリ欠けていた人間ドラマをこれでもかと見せてくれます。
俳優のいい面を引き出す、という意味ではとにかく日本映画史に残るに違いない圧倒的な演出力を持っている阪本順治ならではです。
特にこれは凄い、と思ったのは、戦闘機パイロットの真木蔵人。ヘルメット、真っ黒のバイザー、酸素マスク、と顔がまったく見えないのに、クライマックスの緊張感、安堵が見事に伝わってきます。これが「演出」なんだよ!と叫びたくなりました。
どうしても比較してしまって向こうには悪いですが、「ローレライ」の問題点は、複雑な人間ドラマとアクションエンターテインメントという二つの目標に対し、端から「どっちかに絞らないと無理だよな」とあきらめて人間ドラマを切り捨ててしまったところだと思います。
対して「イージス」は、両方を何とかしようと必死に足掻いている。あきらめていない。やるべきことをきちんとやっている。その誠意がスクリーンを通して伝わってくるのです。
いやーよかった。ジャッキーの「香港国際警察 NEW POLICE STORY」と並んで今年のベスト候補です(笑)。
熱い、熱いぜ真田広之!
| 伯方雪日(はかたゆきひ) | 映画評 | 23:39 | comments(10) | trackbacks(5) |
細かすぎて伝わらない & しりとり竜王戦
わはは、昨日やけにアクセスが増えたと思ったら、「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」をやっていたからか。
前回の感想を当ブログに書いていたのが皆の検索に引っかかったようなのでした。

いやー危なかった。
実は最近東芝製DVDレコーダーを買ったのですが、こいつがキーワードを設定しておくと勝手に番組表から検索して自動録画してくれるんですわ。
で、「細かすぎて伝わらない」を登録して安心していたのですが、なんと当日の番組表では「細かすぎて笑える…」となってやがんの!
もちろん本編では「細かすぎて伝わらない…」になってたけど。新聞で事前に気づいて失敗を回避できました。はーよかった。
ということで見ましたよ! 松本伊代のバックダンサーがツボでした。がはは! 「ナイマン蹴りを食らうリングスの山本」なんて誰がわかるんだ!うははは(山本の構えがめっちゃ似てた)。

ずっと感想書いてなかったけど、「第十回しりとり竜王戦」ももちろん見ています。今回オール芸人で、一回戦で実力者が落ちていくのがもったいなくてもったいなくて。インパルス板倉とか残ってほしかったなー。
今回のお気に入りは、

板倉(インパルス)「すまない留守を頼む、と言われたのだが、ぜんぜん出て行かない」(ミステリアスな言葉テーマ)

河本(次長課長)「家にずっといるのだが、裾が濡れている」(少しテンションが下がる言葉テーマ)


あたりでしょうか(笑)。
果たして両番組とも次はいつなんでしょうか。不定期なのがつらい。

| 伯方雪日(はかたゆきひ) | 罵詈淘奴(雑多なこと) | 00:12 | comments(13) | trackbacks(2) |
<書評> バースト・ゾーン ―爆裂地区
著者:吉村萬壱
出版社:早川書房


「ハリガネムシ」で二年前に芥川賞を受賞した著者の、初の書き下ろし長編がなぜハヤカワなんだ? と思って読んでみたら、なんとも不気味なSFだったのでした。
いつの時代なのか、現代と地続きの日本なのかどうかすらわからない国、『テロリン』と称する正体不明のテロリストにより絶えず攻撃され、戦意高揚の国家政策により志願兵となってテロリン撲滅のために『大陸』へと送られる国民。
だがなにも知らされないまま大陸へと送り込まれた兵士たちが遭遇するのは、『神充』という牛のような体を持ち、頭から出る管でヒトの脳みそを吸い上げてしまう化け物の集団だった。これが、テロリン?

キャラ設定やディティール描写に独特の癖というか、不快感をことさらに煽るようなところがあって、嫌な気分になるけど、でもなんともいえない魅力もあって、不思議な文体。
深いテーマがありそうでなさそうで、とにかくつかみ所のない話だけど、面白くないわけじゃない。だからといってべた褒めも出来ない。
なんとも厄介な本です。これだけの意味不明さをこれだけのテンションでこれだけの量を書けるのはすごいですが。
| 伯方雪日(はかたゆきひ) | 書評 | 14:04 | comments(13) | trackbacks(6) |
<書評> 本格ミステリ05 2005年本格短編ベストセレクション
編者:本格ミステリ作家クラブ
出版社:講談社(講談社ノベルス)


なかなか時間がなかったんですが、まあいくらなんでもこれは読んでおかねば、ということでようやく読了。
以下短評。

小林泰三「大きな森の小さな密室」
犯人当てとして問題編・解決編と別れているだけあって、最小限の情報量でタイトにまとまっていて心地よい。

山口雅也「黄昏時に鬼たちは」
上手い。ひきこもりの人々という難しい題材を使いながら、見事に「隠れ鬼」という遊びとテーマをリンクさせ、トリックも綺麗に決まった。

竹本健治「騒がしい密室」
ジュブナイル小説のようなキャラ設定や台詞が好みではないが、本格としてのまとまりは実に綺麗。傘のイニシャルに関してはちょっと疑問だが。

伯方雪日「覆面」
ノーコメント…。

柳広治「雲の南」
マルコ・ポーロが語り手だが、歴史モノ的な薀蓄はほぼ皆無なので妙に寓話めいたファンタジックなお話に。そのあやふやな世界観が二段構えの解決に上手く寄与。

三雲岳斗「二つの鍵」
こっちの探偵役はレオナルド・ダ・ヴィンチ。いわゆる「公開鍵暗号」を中世に持ち込んだ話で、考え抜かれた論理が美しい。お気に入り。

柄刀一「光る棺の中の白骨」
うーん、これも見事。扉を溶接した厳重な密室の中にあるはずのない白骨死体。オチはそんなことできるのか、とも思ったが、この奇抜で強引だがおもしれー!という発想はまさに柄刀ワールド。本書中ベスト。

鳥飼否宇「敬虔過ぎた狂信者」
この著者は初体験。なんとも妙な名前やキャラがヘンに胡散臭い世界だが、ネタは王道。なんだかミョーに後に残る作品だった。誰が探偵役なのかもよくわからないし。

高橋葉介「木乃伊の恋」
マンガ作品。あえてここに載せるようなものかよくわからないが、幻想的な謎と合理的な解決、という意味では確かに本格か。絵柄はあまり好きではないです。

天城一「密室作法」
評論。残念ながら未読の作品のネタバレ(というかこの型のトリックはこの作品に使われている、というような分類)が多く、ざっと流し読みしかできなかった。あまりにも古典を読んでいない自分が情けない。
| 伯方雪日(はかたゆきひ) | 書評 | 23:37 | comments(13) | trackbacks(0) |
ハカタVOW

すぐ近所にオープンしたぜ!4649!
| 伯方雪日(はかたゆきひ) | ハカタVOW | 20:09 | comments(17) | trackbacks(5) |
クロマティ続報
Yahoo!ニュースより

23日から公開される映画「魁(さきがけ)!!クロマティ高校THE☆MOVIE」に無断で名前を使われたとして、プロ野球の元巨人選手ウォーレン・クロマティ氏(51)が、配給元のメディア・スーツ(東京)に公開差し止めを求めた仮処分申請で、15日、双方の意見を聴く審尋が東京地裁であった。
 クロマティ氏側は、映画の冒頭で実在の人名とは無関係との字幕を追加することで合意、仮処分申請を取り下げた。ただ、名前が原作漫画や映画で使用されることを許諾したわけではなく、今後正式な民事訴訟を起こして争うとしている。


わはは。また映画側にとっておいしい合意をしてくれたもんだ。
冒頭にそんな字幕出たらそれだけで爆笑必至。
| 伯方雪日(はかたゆきひ) | 罵詈淘奴(雑多なこと) | 10:43 | comments(10) | trackbacks(3) |
<映画評> 姑穫鳥の夏
監督:実相寺昭雄
出演:堤真一/永瀬正敏/阿部寛/田中麗奈/宮迫博之


試写会で見てきました。
結構期待してたんですよ。どうするんだ!と思っていたキャスティングもなかなかよさそうだし、監督も実相寺ならまあ…という感じで。
で、実際見てみると……ううううーーーん、うあああーなんというか、もうとてつもなくもったいないというか。
いや、ほんとこの映画のスタッフは凄いと思います。脚本も頑張った、美術も音楽もよかった、映像も演出も凝っていた、キャスティングも演技もなかなかよかった…そう、映画としてやれることはほぼすべてちゃんとやっているのだ。
なのに、なぜこんなにどうしようもなく退屈なのか。
これはもうこの原作を選んだ宿命ですな。メディアミックスが満ち溢れる現在、「小説でしかおもしろくない」という稀有な存在であることを逆説的に証明してしまったような映画なんです。
もうホントにかわいそう(笑)。
しかし堤真一は実によかったです。あの渋い声の長ゼリフは耳に心地よくてうっとり。
| 伯方雪日(はかたゆきひ) | 映画評 | 13:01 | comments(12) | trackbacks(149) |
訃報
いやはや、倉橋由美子、エド・マクベインときて次が橋本真也とは…。
意表を突かれました。ご冥福をお祈りします。
| 伯方雪日(はかたゆきひ) | 罵詈淘奴(雑多なこと) | 22:32 | comments(11) | trackbacks(2) |
<書評> 死亡推定時刻
著者:朔立木
出版社:光文社


いやーおもしろかった。
おもしろいのは大変結構なんですが、この本の場合、「えっ、そこでおもしろくていいの?」という感じ。

ある誘拐事件において、警察がとっさの身代金の受け渡しを拒否させ、結局被害者は死体で発見された。
被害者の父と癒着していた警察幹部は、警察の失態としないために、死亡推定時刻を身代金受け渡しより前に改変させた。つまり、「受け渡しに失敗したから犯人は怒って殺害した」可能性を隠蔽したのだ。
そして死体から金を盗んだだけの男が誘拐犯人として逮捕されてしまう。

こう書くと話はとても面白そうなんですが、実はこの本何が面白いって、ストーリーではなくて、とにかく微に入り細を穿つ警察の取り調べ、起訴、裁判の手続きなどの圧倒的リアルな描写なのです。
著者は弁護士か検事か知りませんが法曹界の人物らしく、冤罪が作られていく過程をこれでもかと積み重ねていきます。ここが滅法おもしろい。
次第に死亡推定時刻のテーマはなんかどうでもよくなっていってしまい、そっちのほうはわりと尻すぼみに。
というわけで、おもしろさは抜群なのに「そこじゃないだろ!」というヘンな本になってしまいました(笑)。
| 伯方雪日(はかたゆきひ) | 書評 | 13:57 | comments(10) | trackbacks(1) |
前田新団体と「さぶ」
なんか前田がK−1を蹴ってU系新団体作るという噂が出てますね。
田村や船木とすでに接触しているとかいないとか。
復活したらしたでとにかくハラハラさせてくれる人ですねえ。
かなり信憑性の薄い噂なんで軽く流しておきましょう、今のところは。


画像探したけど見つからなかった。
新潮文庫「さぶ」(山本周五郎)が今回の夏の100冊フェアを機に装丁が変わったのだが、誰かご覧になりました?
どういう経緯か、池上遼一が表紙を書いてるんですよ。
しかしなんというか、今こうされても、こっちが野中英次のパロディにしか見えないのが困りもの。特に後方にいるデブとかそのまんま「クロマティ」に出てきそうで大笑いしてしまいました。
| 伯方雪日(はかたゆきひ) | 罵詈淘奴(雑多なこと) | 11:15 | comments(8) | trackbacks(0) |
<映画評> 機動戦士Zガンダム 星を継ぐ者
監督:富野由悠季
声の出演:池田秀一/飛田展男/古谷徹


うー、なんで完全新作にしなかったんだろう。
いまさら20年前のテレビ画面をスクリーンで見せなくても…。
脚本(というか編集)は割とよかったので、カットによって変わりまくる作画レベルが違和感ありありでもったいない。
新作部分の作画もかっこよかったのですが、当時の作画監督たちとはかなり解釈が違うのでこれまた違和感あり。要するに丸ごと新作を見せてくれよ!ということ。
しかし作画監督の恩田尚之は富野監督と喧嘩してしまったそうで、二作め以降も担当しているのかわかりませんが。
そもそもこの話は、初代ガンダムのキャラが大挙登場する最初の地球編までが最高に面白いので、実は今回の映画も今がピークなのかも。
「Zガンダム」は、Zガンダムが出てきてからつまらなくなる、というのが僕の意見です。
ただ、ラストが変わるという噂を聞いているので、それは楽しみ。
| 伯方雪日(はかたゆきひ) | 映画評 | 01:14 | comments(6) | trackbacks(0) |
<映画評> 宇宙戦争
監督:スティーブン・スピルバーグ
出演:トム・クルーズ/ダコタ・ファニング/ティム・ロビンス


早速見て来ました。
うううーむ、難しいなあ。
まず、前半圧倒的な素晴らしさを感じました。問答無用で謎の生物が襲い掛かってくる映像の迫力。
一体誰が何のためにこんなことしてくるのかまるでわからない恐怖感。
「ああ、これは『激突!』だ!」と思いました。スピルバーグの原点です。

ただ、これは実際一緒に見た連れがそうだったのですが、今の若い人たちはこの原作が百年以上前に書かれた古典SFだということを知らないようなのです。
スピルバーグとしては古典へのリスペクトのつもりなんだろうが、その辺知らない人にとって、やたらレトロな宇宙人像やメカデザイン、光線でジュバアっと灰になっちゃう人なんかがギャグに見えちゃうようなんですよ。
僕も劇場ではずっとハラハラしてたのに、落ち着いて思い出すと確かにマヌケ感があります。
まあ、劇場では特撮のあまりの凄さ(デニス・ミューレン!)に圧倒されっぱなしだったし、楽しめたからいいんですが。

以下ネタバレ少ししそうなんで分けますね。
未見の方はご注意。
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| 伯方雪日(はかたゆきひ) | 映画評 | 18:48 | comments(26) | trackbacks(60) |