伯方雪日の罵詈淘奴日記

罵詈淘奴=バーリ・トゥード=ポルトガル語で「なんでもあり」です
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最近読んだ本
荒山徹「柳生薔薇剣」(朝日新聞社)

「十兵衛両断」で一気にハマった荒山徹第二弾。今回は十兵衛のお姉さん柳生矩香(のりか)が主役。尼寺を守るためばったばったと刺客を斬りまくります。尼さんたちからの羨望の眼差しを受け、ほとんどノリは宝塚。面白いぞ!


荒山徹「柳生雨月抄」(新潮社)

続いて第三弾。「薔薇剣」は番外編的だったが、今回は「十兵衛両断」の直接の続編で、今回から主役が希代の陰陽師にして柳生一族でもあり、魔物も惚れ込む美形、柳生友景にフィックス。
時の天皇のお墨付きまで得て、朝鮮が送り込んでくる剣士や妖魔と闘いまくり。
ちなみに朝鮮妖術師が使役する巨大な蛾の怪物の名は慕漱蠡(もすら)といいます。うははは。
「高句麗の始祖王朱蒙{チユモン}の父・解慕漱{ヘモス}が頤使{いし}した蠡{ラ}であるを以て、慕漱蠡なる名前の由来とされている」そうな。
このわけのわからん朝鮮文献の引用が毎度楽しい。このパターン見たことあるなと思ったら、「男塾」の民明書房なのね。
ちなみに朝鮮王族を守る男装の麗人剣士団があり、もちろんその代表は呉淑鞨(オスカル)と安兜冽(アンドレ)。もうめちゃくちゃやな。
めちゃくちゃが好きな方にはオススメです。


森博嗣「MORILOG ACADEMY 2」(メディアファクトリー)

森博嗣のウェブ日記を本にするこの企画、今回三カ月おきの刊行ということで(以前の日記シリーズは年刊)、あ、これこないだ読んだなというサイクルの速さがちょっと欠点かな。
意識して「銭の取れる日記」をプロデュースしようとするその一貫した姿勢、思想がやはり素敵で、読んでいて気持ちいい。
もう小説は読まなくなったけど、やはりこれだけは追い続けます。
| 伯方雪日(はかたゆきひ) | 書評 | 11:56 | comments(8) | trackbacks(16) |