伯方雪日の罵詈淘奴日記

罵詈淘奴=バーリ・トゥード=ポルトガル語で「なんでもあり」です
CALENDER
<< August 2005 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
+SELECTED ENTRIES
+RECENT COMMENTS
+RECENT TRACKBACK
+CATEGORIES
+ARCHIVES
+LINKS
+PROFILE
+OTHERS
<書評> 震度0
著者:横山秀夫
出版社:朝日新聞社


横山秀夫の警察小説の新作です。ふふふ。
神戸を襲った震度6の大激震。そこから離れたN県警本部では、警務課長の失踪事件に揺れていた。若い女性と車に乗っていたとの目撃談が。
スキャンダルに発展しそうな事態に、本部長、警務部長、刑事部長、警備部長、生活安全部長、交通部長たちの密室での綱の引き合い。

刑事たちは、外では自らの組織のことを「カイシャ」と称する。
この話は、その通り警察もひとつの会社なんだ、ということを嫌というほど露呈する。派閥、人間関係の描写がエグイエグイ。
キャリア対叩き上げ、同期の出世争い、天下りポストを巡るおもねり…。
刻々と死者が増えていく神戸の状況を尻目に、腹を探り合い、敵味方が激しく入れ替わる。
いやあー地味。ホントに地味。ひたすら地味。そこがたまらない。
相変わらずキャラ立て、描き分けが見事。誰がどの情報を握り、何を欲しているのか、その辺の匙加減と舵取りが絶妙。面白かった!
| 伯方雪日(はかたゆきひ) | 書評 | 01:27 | comments(8) | trackbacks(9) |