2006.10.22 Sunday
最近読んだ本2
スーザン・A・クランシー「なぜ人はエイリアンに誘拐されたと思うのか」(ハヤカワ文庫NF)
アブダクションの、というかアブダクティーの心理を研究する学者によるノンフィクション。
どうも著者にこのテーマに関する熱意が感じられなくてあまり面白くない。特に目新しい視点もなし。
山田正紀「カオスコープ」(東京創元社)
御大にしていまだに新しさに挑戦し続ける山田正紀の最新作。
なかなか世界観が掴みづらいけど、見えてからは一気、というさすがSF畑のヒトの本。これはなかなか。
「ある映画にインスパイアされて書かれた」と書いてあったので、「ふふん、あれだな」と思って創元の編集さんに訊いたら、まるで違ってました。とほほ。
多田文明「ついていったらこうなった」(彩図社)
キャッチセールスや宗教勧誘、電話営業などに対する体当たり潜入レポート。
すごく面白そうなネタなのに、うーむ、つまらんなあ。
この人、ミョーに頼りなくて、向こうの言うことに納得しそうになったりして危なっかしい。
文章も練れてなくて突っ込みも甘い。
島田荘司「光る鶴」(光文社文庫)
ノベルス「吉敷竹史の肖像」に書き下ろし短編を加えての文庫。
最近島田荘司は狂ったように本を出していて、文庫化や全集にまで加筆や書き下ろしを加え、鬼神のごとき仕事量。
とはいえ、その荒さには少々疑問も。
この本の書き下ろし短編「電車最中」もそう。いくらなんでもこれはちょっと。
鹿児島の刑事が吉敷と旧交を温める、という話ならその部分だけでいいのに、めちゃめちゃ中途半端なミステリともいえないような奇妙な話にされ、ちょっと萎え。
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