2006.08.17 Thursday
最近読んだ本
まとめていきます。
高島俊男「お言葉ですが…7 漢字語源の筋ちがい」(文春文庫) 年に一度のお楽しみ。このシリーズ、家では常に食事やトイレの片手間に読み返していて、読み終わるごとにまた一巻から読み返します。 読みやすさバツグンの名文と、圧倒的でさりげない知識量に毎度感動。 岩波明「狂喜の偽装 精神科医の臨床報告」(新潮社) 「精神科医の臨床報告」といえばそうだけど、あまり「狂喜の偽装」に関する話はなかったような。まあ、そうだろうな、というまっとうなことばかり。 家高康彦「実録!! 極真大乱」(東邦出版) 今のところ今年のベスト。大山倍達が死して後、分裂に次ぐ分裂でズタズタになっていく極真会館を間近でつぶさに見てきた男が全てを記す。 強い思い入れと、客観性を保とうとする意識のせめぎあいが素晴らしい緊張感を生んで、めちゃくちゃ面白い。 小松左京「日本沈没(上・下)」(小学館文庫) 映画を見る前に、というよりは第二部を読むために。 素晴らしい。「日本が沈没する」というハードSF考証もいいが、タイムリミットが近づく中での政府主導による一億人海外脱出計画に大興奮。 有栖川有栖「乱鴉の島」(新潮社) 孤島ものだが、仰々しい過剰な本格ではなく、いつものすっきりスマートな有栖川節。小技が利いてます。 柳田理科雄「空想科学読本5」(メディアファクトリー) 映画読本とか漫画読本とかいろいろ出てたけど、本家のこれは4年ぶり。 相変わらず楽しい。イラストレーターさんの力量が素晴らしすぎ。 柳田さん、お店にいらしたのでサインを頂きました。 「一日一科学 柳田理科雄」うーむ、深いぜ。 小松左京/谷甲州「日本沈没 第二部」(小学館) めちゃくちゃ読み終わるのに時間がかかった。 前作から二十五年後、世界中に散らばった日本人と地球のその後を描いたものだが、前作のような「日本が沈没する話!」というような明快な柱がなく、ディティールばっかり細かくて、ラスト近くになるまで何の話なのかさっぱりわからない。 やはり若いときに自分で書いて欲しかったな(執筆自体は全て谷甲州が担当)。 マイケル・スワンウィック「グリュフォンの卵」(ハヤカワ文庫SF) SF短編集。可もなく不可もなく。特に気に入った話もなければ、つまらんものもなし。 小松左京「SF魂」(新潮新書) 若き日のむちゃくちゃな仕事ぶりや、黎明期の日本SF界の面白さがてんこ盛り。 いろんなものを読み、いろんなところに行き、いろんな人の話を聞き、いろんなことをした男。すごい。すごすぎ。 |