2005.11.13 Sunday
<書評> 神様ゲーム
著者:麻耶雄嵩
出版社:講談社 数年前から講談社が力を入れている書下ろしシリーズ、「ミステリーランド」の一冊です。当代人気のミステリ作家にジュブナイルミステリを書いてもらうというシリーズで、活字は大きくルビ入り、挿絵多数というシロモノ。ただ、単価が高く、実質は大人のミステリファンが買っていることが多いんじゃないかと思われます。 で、麻耶雄嵩とジュブナイルというまさに神様も呆れかえるミスマッチが本作。ふははは、もうまったく遠慮なしで不条理な麻耶ワールドが炸裂しまくりです。 麻耶雄嵩が子供のためになるようないい話を書けるはずもなく、またそんなこと期待していないのでなにをしようとかまいませんが、それにしてもこれはひどいのでは。ミステリのコードを過剰に用いながら、過剰に逸脱するという方法論を突き詰める麻耶にとってはある意味標準作とも言える内容だが、「神」を名乗る同級生の正体、「え、それって結局どういうこと?」という不気味な余韻のラストなど、なんにも知らない子供が読んだらこりゃ一生モンのトラウマやで。 やっぱりこのシリーズは大人を対象にしてるのかな、と改めて思いました。よいこのみんなは、じゅうぶんにかくごしてから読んでね。 |