伯方雪日の罵詈淘奴日記

罵詈淘奴=バーリ・トゥード=ポルトガル語で「なんでもあり」です
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<映画評> 蝉しぐれ
監督:黒土三男
出演:市川染五郎/木村佳乃/今田耕司/ふかわりょう/緒形拳


試写会です。
一年以上前からセットを組んで四季折々の撮影を始めていた、という話を聞いていて、「おお、気合い入ってんなあ」とわりと期待していたんですが、ダメでしたね(キッパリ)。
いや、気合入ってたのはまさにその風景の切り取りだけ、という感じ。ドラマにメリハリがなくて平板。そもそも主役の少年時代を別の人が演じているのですが、このパートが長い!なんと一時間近く染五郎になりません。しかもこの少年役(子供じゃなくて青年。知らん人)が異常に下手糞で、激しく感情移入を阻害するので、とにかくつらい。
成年してからも、親友二人(今田、ふかわ)のコメディリリーフっぷりが中途半端で、この程度ならちゃんとした役者を使わないと、全体の品を下げるだけです。今田とふかわがかわいそう。
ああ、あと「〜でがんすぅ」という方言がまるでなくて、まったく普通の標準語だったのも興を殺がれました。
唯一おおっと思ったのが殺陣シーン。ここだけかっこよかった。
まあ僕の場合どうしても希代の名作「たそがれ清兵衛」と比較してしまうので辛口になっちゃうのですが、それにしても残念な出来でした。
| 伯方雪日(はかたゆきひ) | 映画評 | 10:48 | comments(12) | trackbacks(22) |