伯方雪日の罵詈淘奴日記

罵詈淘奴=バーリ・トゥード=ポルトガル語で「なんでもあり」です
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<書評> 扉は閉ざされたまま
著者:石持浅海
出版社:祥伝社(ノン・ノベル)


大学時代の仲間が久しぶりにとあるペンションに集まり、主人公はそこで仲間の一人を殺害、部屋を密室化するというシーンから幕を開ける。
犯人は最初から判明しているといういわゆる倒叙もの。
綿密に計算して殺人を行う犯人のクールさと、冷静に状況を把握しながら推理していく探偵役の女性のクールさ、作品の根幹を成立させているこの二つの「クール」の微妙な書き分けが素晴らしく、スタイリッシュな表紙も含めてトータルデザインが非常にエレガントに、かつシンプルに決まっている佳作。
いや、これはいいぞ。過剰な意匠を剥ぎ取った素の『本格』っぷりが快感でした。
| 伯方雪日(はかたゆきひ) | 書評 | 00:05 | comments(7) | trackbacks(1) |