2005.05.17 Tuesday
<映画評> 四日間の奇蹟
監督:佐々部清
出演:吉岡秀隆/石田ゆり子/尾高杏奈/西田敏行 試写会です。 えーと、招待してもらってなんですが、つまりませんでしたな。 原作を読んでいなくて、こういうファンタジーな話とは知りませんでした。 まずね、そのファンタジーな部分(人の意識が別人に移る。ありがち!)でちゃんと感動させたいなら、そこを支える土台のリアリティをきっちり描かないとダメでしょ? それを描いてないから、単なる絵空事なんです。 脚本もどうにも偏っていて、メインキャラである如月(吉岡秀隆)の内面描写がまるでなされないために、「肩抱いて」はい「キスして」はい、など状況に流されるだけのただの頼りない男にしか見えん。 少なくとも彼がちゃんと優しい男であるだけのエピソードを入れんとあかんでしょうが。 演出もまあなんとも稚拙。ステンドグラスを通したライティングとか、異常にきらめく灯台とか、ちょっといまどき勘弁してよ、という陳腐さ。 監督は「陽はまた昇る」「半落ち」の方ですか。いまどき真正面から泣かせに入るのは結構ですが、「感動的な場面の記号」をいくら積み重ねてもそれだけじゃ感動できないよ。 |