2005.05.22 Sunday
<書評> 月のパルス(全2巻)
著者:くらもちふさこ
出版社:集英社(クイーンズコミックス) 少女漫画はいろいろ読んできましたが、その中でもくらもちふさこはお気に入りです。 超ベテランの現在でも、常に新しいことに挑戦する攻撃的姿勢が素晴らしい。 たとえば「天然コケッコー」では主人公の女の子がいる中学校に東京からカッコいい転校生がやってくるという、ありがちな設定なのだが、実はその中学校はめっちゃ田舎で、転校生と同学年の子は主人公ひとりしかいないのだ(笑)! その二人でくっつくしかないじゃないかという逆転発想ラブコメだった。 今回の「月のパルス」でも逆転発想にチャレンジしている。 「一目ぼれ」から始まるラブコメは多いが、この作品では、「出会うまで」を重点的に描いているのだ。小さな小さな糸で繋がっているふたりなのだが、なかなか出会わない。 そう、「主役ふたりが出会う」、ということがこの作品のクライマックスに置かれていて、そこで終わる話。すげえな、この発想。 そして相変わらず小道具の使い方が天才的に上手い。「霊視」というアイテムを実に効果的に用いている。 いい仕事してますね。嬉しくなりました。 |