伯方雪日の罵詈淘奴日記

罵詈淘奴=バーリ・トゥード=ポルトガル語で「なんでもあり」です
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保守化する己に抵抗を
友人に借りた「ハチミツとクローバー」を6巻まで読みました。
面白いんだけど、なんだか胸の奥が痒くなるような違和感がある。これは「のだめカンタービレ」を読んだときにも思った。デジャヴだ。
両者に共通するのはなんだろうと考えて、おそらく「才能あるものの描き方」じゃないかな、と思った。
「のだめ」の千秋やのだめ、「ハチクロ」の森田やはぐ、彼らのなんともさらりとした天才性の発揮ぶりに違和感を感じるようだ。
なんというか、「才能」というある意味孤高にならざるを得ないものを、ミョーに大衆性のあるものに貶めているというか。うーん、上手く言えない。
「天才やエリートの孤独」という古典的でベタなものがやっぱり好きなのかな、俺は。保守的だなあ。
というわけで、やはり「ガラスの仮面」のような話が好きです(笑)。

「ヘビメタさん」あいかわらず破壊的に面白い。録画して二回は見る。ビョーキか、俺は。
その影響でツタヤでHR/HMを借りまくっている。
昔聴いていたのはほとんどテープかMDで、両者ともすでにハードがないのでずーっと聴いていなくて、そのあたりの懐かしアルバムを聴いて燃えまくっているのです。ああ、これまた保守的。いかんいかん。
| 伯方雪日(はかたゆきひ) | 罵詈淘奴(雑多なこと) | 21:59 | comments(13) | trackbacks(3) |
<書評> ルパンの消息
著者:横山秀夫
出版社:光文社(カッパノベルス)


横山秀夫幻のデビュー作。
今はなきサントリーミステリー大賞で佳作を受賞するも刊行されなかったという作品を加筆したものです。
ああ、いいですね、実に。
確かに横山秀夫でありながら、なんともいえない若さが感じられる。
本格ミステリにおいては、基本的にトリックやどんでん返しを成立させることに主眼が置かれ、キャラクターや動機などはそのための小道具として強引な後付けをされることが多い。
横山秀夫はそこを処理するのが実に上手く、「本格ミステリであること」すら感じさせないほどだ。
本作でも「ん?」と思うところもあるにはあったが、話作りにおけるトップダウンとボトムアップの兼ね合いが絶妙。
拍手拍手。
| 伯方雪日(はかたゆきひ) | 書評 | 01:46 | comments(16) | trackbacks(4) |