伯方雪日の罵詈淘奴日記

罵詈淘奴=バーリ・トゥード=ポルトガル語で「なんでもあり」です
CALENDER
<< December 2006 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
+SELECTED ENTRIES
+RECENT COMMENTS
+RECENT TRACKBACK
+CATEGORIES
+ARCHIVES
+LINKS
+PROFILE
+OTHERS
恒例・今年のベスト(映画編)
映画のベストもいきます。
今年劇場で見た中から選びました。

1位「ハチミツとクローバー」高田雅博
2位「ゆれる」西川美和
3位「鉄コン筋クリート」マイケル・アリアス
4位「グエムル 漢江の怪物」ポン・ジュノ
5位「トム・ヤム・クン!!!」プラッチャヤー・ピンゲーオ
6位「デスノート The First Name / The Last Name」金子修介
7位「武士の一分」山田洋次
8位「力道山」ソン・ヘソン
9位「七人のマッハ!!!!」バンナー・リットグライ
10位「ジャケット」ジョン・メイブリー
11位「嫌われ松子の一生」中島哲也
12位「SPIRIT」ロニー・ユー
13位「スーパーマンリターンズ」ブライアン・シンガー
14位「時をかける少女」細田守
15位「木更津キャッツアイ ワールドシリーズ」金子文紀

| 伯方雪日(はかたゆきひ) | 映画評 | 01:58 | comments(48) | trackbacks(149) |
恒例・今年のベスト(書籍編)
さて、今年も極私的ベストを決めます。
基本的に、今年発行の本から選びました。フィクション、ノンフィクションごちゃ混ぜです。
一応読んだときの感想をリンクしているけど、今年はちゃんとした感想を書いてないのであまり意味なかったかも。
1位と2位は併せ技一本ともいえる。

1位「実録!! 極真大乱」家高康彦(東邦出版)
2位「大山倍達正伝」小島一志・塚本佳子(新潮社)
3位「独白するユニバーサル横メルカトル」平山夢明(光文社)
4位「ひとりっ子」グレッグ・イーガン(早川書房)
5位「獣どもの街」ジェイムズ・エルロイ(文藝春秋)
6位「シャドウ」道尾秀介(東京創元社)
7位「柳生雨月抄」荒山徹(新潮社)
8位「犬坊里美の冒険」島田荘司(光文社)
9位「ウェブ進化論」梅田望夫(筑摩書房)
10位「ウロボロスの純正音律」竹本健治(講談社)
11位「邪魅の雫」京極夏彦(講談社)
12位「包帯クラブ」天童荒太(筑摩書房)
13位「狂嵐の銃弾」デイヴィッド・J・スカウ(扶桑社)
14位「MORILOG ACADEMY 1〜4」森博嗣(メディアファクトリー)
15位「Op.ローズダスト(上下)」福井晴敏(文藝春秋)


| 伯方雪日(はかたゆきひ) | 書評 | 01:45 | comments(25) | trackbacks(172) |
<映画評> 鉄コン筋クリート
監督:マイケル・アリアス
声の出演:二宮和也/蒼井優/田中泯


原作は連載当時に一度読んだきりなので、きれいさっぱり忘れていました。面白かったことは覚えています(松本大洋で一番のお気に入りは「花男」)。

予告などで見る断片映像がなんか異様にかっこいい気がしたので見に行きました。
うおおおおーオープニングにぶっとび。なんてかっこよさ!
あの癖のある原作のエッセンスを見事に生かした斬新な絵、動き。
キャストも良く、特に蒼井優のシロは素晴らしい。
脚本も良くまとまってるし、ハードボイルドなセリフにしびれるしでいい映画でした。
ただ、後半が映像的にも展開的にも「アキラ」っぽいな、と思いましたが。
連れが買ったパンフを見たら、「シティ・オブ・ゴッド」にインスパイアされた部分がある、と言っていて、すごく納得しました。あの猥雑なエネルギーがとめどなく噴出しながら、スタイリッシュである感覚はまさに同じ。

傑作です。見るべし。
| 伯方雪日(はかたゆきひ) | 映画評 | 01:29 | comments(14) | trackbacks(190) |
<書評> ひとりっ子
著者:グレッグ・イーガン
出版社:早川書房(ハヤカワ文庫SF)


今年最後に読んだのはこれ。毎年恒例になりつつある年末のイーガン祭りか(昨年は「ディアスポラ」、一昨年は「万物理論」)。
今回は短編集。これがまたいいのよ。どれもこれも発想の素晴らしさと理論的裏付け、それをうまく生かすストーリー。すごいなあ。
要するに、過去繰り返されてきたさまざまな哲学的思考実験を、物理的なテクノロジーというガジェットで小説化する、という試みか。
その意味で、「ふたりの距離」などはまさにその典型。完全な同一性を持った二者を完全な同一環境においたらどうなるか?
冷徹な実験に対するウェットな心理描写が素晴らしい。

この本のメインはラスト二つの中篇「オラクル」と「ひとりっ子」だと思うし、実際共に面白く、特にこの二作の関連が見えた瞬間の感動は素晴らしいものだったが、一番のお気に入りは「ルミナス」。
数学が原初より内包していた「不備」を見つけてしまった二人の逃避行サスペンス。いいねえ。いいよ。血沸き肉踊る設定だ。

相変わらず時間はかかるけど、ずっしり読み応えあり。面白かった!

| 伯方雪日(はかたゆきひ) | 書評 | 01:21 | comments(13) | trackbacks(396) |