すっかり更新遅れてますな。まあいいや。
読んだ本全てをレビューしているわけではありません。
道尾秀介「背の眼」(幻冬舎)
「向日葵の咲かない夏」で打ちのめされた道尾秀介のデビュー作。
これまたいいです。いろんなネタを惜しげもなくガンガンつぎ込んでくる姿勢に好感。作品はホラー感バリバリながら、本人は妙に軽い人です(笑)。
大森望/豊崎由美「文学賞メッタ斬り! リターンズ」(パルコ出版)
定石どおり前作よりパワーダウン(笑)。該当本を読んでなくても十分に面白かった前作に比べ、「読んどいたほうが面白いな」程度になっちゃった気が。
アレックス・バーザ「ウソの歴史博物館」(文春文庫)
もっと面白くなれるはずなのに、もどかしい。
現代もののほうが面白そうなのに、古い話が多くて残念。
あと図版とかもっとあればなあ。
石持浅海「顔のない敵」(カッパノベルス)
対人地雷ミステリー短編集。ってなんなんだ(笑)。
この人が根っから本格だなあと思うのは、どうやったかとか誰がやったかとかには緻密で面白い論理でグイグイ迫るのに、犯人そのものへの処断とかその後についてはすっげえ淡白なところ。
この乾いた感覚は好みです。
小島一志/塚本佳子「大山倍達正伝」(新潮社)
メタクソ面白かった。「実録!! 極真大乱」と双璧をなす今年のベスト本。
「空手バカ一代」で築き上げられた大山倍達というファンタジーを、徹底的な取材でひとつひとつ突き崩していく。
何がすごいって、これだけ全てがウソだったことが露呈されながら、著者の心にも、読者の心にも依然大山ファンタジーが厳然と存在し続けていること。
まったく関係ないけど、ラーメンズ片桐さんに自著をプレゼントしました(画像掲載の許可は得ています。無断転載を禁じます)。