伯方雪日の罵詈淘奴日記

罵詈淘奴=バーリ・トゥード=ポルトガル語で「なんでもあり」です
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<書評> アリスにお願い
著者:岩舘真理子
出版社:集英社(YOUNG YOU特別企画文庫)


往年の少女漫画はかなり好きで、高校、大学の頃は相当読み込んでいたのだが、岩舘真理子とはなぜかあまり縁がなく、「アリスにお願い」は当時えらく感動したわりには、他には「冷蔵庫にパイナップルパイ」くらいしか読んでいない。
今日ふらりとまんだらけに行ったので、実家ではすでに行方不明となっているこの本を買い直してみた。

やはりすごい。
綿密な伏線を張ったまったく無駄のない完璧なシナリオ、胸に突き刺さる切ないモノローグ、見事なキャラ造形と描写、触れれば消えてしまいそうな淡いタッチ、そしてなんという見事な「本格ミステリー」っぷり。
完璧です。完璧であるが故の脆さがまた切ない。

これはある意味僕が理想としている作劇法です。こんなの小説で書けたらいいだろうなあー。
| 伯方雪日(はかたゆきひ) | 書評 | 22:30 | comments(15) | trackbacks(12) |