伯方雪日の罵詈淘奴日記

罵詈淘奴=バーリ・トゥード=ポルトガル語で「なんでもあり」です
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<書評> 月のパルス(全2巻)
著者:くらもちふさこ
出版社:集英社(クイーンズコミックス)


少女漫画はいろいろ読んできましたが、その中でもくらもちふさこはお気に入りです。
超ベテランの現在でも、常に新しいことに挑戦する攻撃的姿勢が素晴らしい。
たとえば「天然コケッコー」では主人公の女の子がいる中学校に東京からカッコいい転校生がやってくるという、ありがちな設定なのだが、実はその中学校はめっちゃ田舎で、転校生と同学年の子は主人公ひとりしかいないのだ(笑)! その二人でくっつくしかないじゃないかという逆転発想ラブコメだった。
今回の「月のパルス」でも逆転発想にチャレンジしている。
「一目ぼれ」から始まるラブコメは多いが、この作品では、「出会うまで」を重点的に描いているのだ。小さな小さな糸で繋がっているふたりなのだが、なかなか出会わない。
そう、「主役ふたりが出会う」、ということがこの作品のクライマックスに置かれていて、そこで終わる話。すげえな、この発想。
そして相変わらず小道具の使い方が天才的に上手い。「霊視」というアイテムを実に効果的に用いている。
いい仕事してますね。嬉しくなりました。
| 伯方雪日(はかたゆきひ) | 書評 | 09:31 | comments(19) | trackbacks(192) |
<映画評> マッスル・モンク
監督:ジョニー・トウ/ワイ・カーファイ
出演:アンディ・ラウ/セシリア・チャン


レンタルです。
だははは!こいつはひどい映画だ!
アンディ・ラウがシュワルツェネッガー張りの筋肉野郎になってるんですが(20kgの「筋肉ボディスーツ」による特殊メイク)、その意味がそもそもまったく不明。
アンディは元僧侶で、愛する人の死をきっかけに人の前世(カルマ)が見え、その人の死を予知できるようになり、そのことに虚しくなって寺を出て、今は男性筋肉ストリッパーとして享楽的に生きている。…ってここまで書いてやっぱりヘンじゃないかこの話!ぐはは!
別に筋肉だらけである必要がない役をわざわざ設定して、そんな筋肉などないアンディ・ラウに無理やりボディスーツ着せて演じさせるという、なに考えてんだこいつら的な頭のねじれた馬鹿映画。
そしてアンディは、偶然出会った女性刑事にカルマを見てしまう。ああ、それは…日本刀を振り回し残虐の限りを尽くす、旧日本兵!! うおお、もうまったくわけわからん(笑)。
しかし製作者はどうも大真面目のようで、後半はどんどん暗い展開に。「人の業はつらいものよのう」的なラストはかなり後味が悪く、もうなにがなんだか。
そして最高に意味不明なのが、こんなバカトンデモ映画が、あの傑作「インファナル・アフェア2」「同3」を抑えて香港アカデミー賞の作品賞・脚本賞・主演男優賞を受賞したということだ! まだまだ奥が深いな香港映画。
| 伯方雪日(はかたゆきひ) | 映画評 | 09:12 | comments(15) | trackbacks(4) |